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アルミニウムの異種金属腐食

アルミニウムの異種金属接触腐食について(アルミニウム合金と亜鉛、又はステンレス鋼)
「アルミハンドブック(改訂7版)」〔 編集・原版発行:社団法人 日本アルミニウム協会〕より抜粋
6.4.2.2 アルミニウムに対する異種金属の影響
アルミニウムが異種金属と接触して受ける腐食の程度は、腐食環境によって変る。新鮮な水中、田園地区、多くの都市では小さく、海水中、海洋性雰囲気中、伝導度のよい化学溶液中では大きい。
以下、アルミニウムと異種金属間の腐食現象について、総括的に述べる。

(1) アルミニウムに害のない金属
(a) 亜鉛
大気中や水中、海水中で亜鉛はアルミニウムに対して卑であり、アルミニウムと接触することにより、亜鉛の腐食が促進され、アルミニウムを逆に陰極防食する。したがって、亜鉛をアルミニウムより貴な金属に被覆して、アルミニウムの接触腐食防止に使用できる。欠点は、海水中などでは亜鉛の消耗が大きいことである。

(2) アルミニウムに害の少ない金属
(a) ステンレス鋼
18Cr-8Niステンレス鋼は、海水中に長時間浸漬するような条件の極めて悪い場合を除いて、特に防食処理を施さなくても安全に使用される。したがって、アルミニウムの接合に18Cr-8Niステンレスビスを使用する場合が多い。しかも、18Cr-8Niステンレス鋼はそれ自身の耐食性がすぐれているので、鉄のように赤さびの心配もない。これに対し13%Cr系のステンレス鋼は、アルミニウムに対する有害性と、自身の耐食性の点で、18Cr-8Ni系ステンレス鋼より劣る。ステンレス鋼が、アルミニウムに対し比較的害の少ないのは、ステンレス鋼表面の分極が大きいため、腐食電流が小さいからである。

・異種金属の組み合わせについて
下表は海水中の金属の自然電位列の例であるが、一般的に電位の異なる金属を水等の電解液中で接触させると、電位の低位にある金属が高位にある金属を浸食することが知られている。
雨水には様々な成分が含まれているので電解液と考えられるが、例えば、ステンレスとアルミニウムという電位差の大きい金属が雨水に接触するとアルミニウムの方が腐食する。

ただし、下記のような電位差腐食が発生しない条件がある。

【発生しない条件】
電位列が高位の金属の面積>電位列が低位の金属の面積
従って、面積の非常に小さいステンレスのネジを、面積の大きなアルミニウムに取り付けた場合、電池作用による局部腐食の問題はない。

 

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